コロナ感染者が減っていますね。
朗報ではあるものの、急激とも言える減少傾向は、どこか腑に落ちない感じもします。明確な「減少する理由」が、よくわからない。
もちろん、ワクチン接種も効果はあるのでしょうし、本当にヤバイ、と切羽詰まった国民一人一人の行動が結果につながっているとも言えます。
一方で、ワクチン接種後の感染もあるようですし、街を見れば、緊急事態宣言解除前から、危機感なく群れて騒いでいる人達も一定数いる。
なんというか、決定的な「これが効いてる!」というのがないところが、かえって不気味です。
幾度となく繰り返された感染拡大と緊急事態宣言で、一人一人が向き合い方のコツを掴んだというのもあるかもしれませんが、また繰り返すのでは、という恐怖というか、諦めのような感覚も、あるにはあります。
いずれにせよ、命をも奪う感染症だけに、今後も真剣に向き合っていかなければならないでしょうし、終わりが見えなくても、だから自分はやめた、と勝手には言えない、みんなでの共同作業でもあります。
そして、命以上のものとして語れるものはないにせよ、この感染症は、他にも様々な物、事を奪っていきましたね。
人生のイベントとして欠かせない、入学式、卒業式。修学旅行。結婚式。今生の別れ。お葬式。多くの人がその機会を奪われていますね。
特に子供達にとっては、解決が長引くことは、人生の思い出を今後も奪われ続けていくことになります。
もちろん、自身の命、という守るべきものもありますが、肉親や親しい人を奪われた方もいるわけです。
映画などである、絶望が目前まで近づいているシーン。それに似た息苦しさがあります。映画のような派手さはないものの、じわじわと、大切なものを奪われていき、それに対して人類は成す術がない。
今、感染者が減ってきていることで、心の底から喜べる人は、何人いるんでしょう。
今から既に計算してしまいますよね。
これで緊急事態宣言が解除されて、また感染が広がってまた宣言がでて、となると。
あぁ、この年末年始もまた、帰省もできない、旅行も行けない、近所に飲みにも行けないってことになるのかな…と。親戚や友人とも集まれないな、と。
なので、ニュースなどで注意喚起されるまでもなく、宣言解除後も「もらわない」「ひろめない」ために、自分のやれることはしっかりやって、映画のようなハッピーエンドを待ちたいと思っています。