仕事、ということだけで人生を組み立てると、確かに老後、自分には残るものがないなぁ、と感じる今日このごろです。
老後まで仕事を絡めて考えたくはないので、例えば仕事の必要上で取得した資格などは残るじゃないか、という考え方は、今は置いておきます。いやないけど。
知り合いの親御さんで、仕事一筋だった人がいます。
職人的な仕事で、黙々と毎日の業務をこなす仕事でした。
定年してから、あっという間に弱ってしまいました。
ちょっとギャンブルをやるぐらいが唯一の趣味だったその人は、年金暮らしになるとそのお金も自由にならず、日がな、自宅に籠もってテレビを見ているような生活だったようです。
私からも、仕事が好きであるのなら、内容は違うけれど、シルバー向けのアルバイトで外に出てみたらどうか、と、提案したりもしました。
その後、勤めに出られて少し持ち直したように聞きましたが、しばらく私が疎遠になってしまい、久しぶりに近況が聞こえてきたと思ったら、もはや寝たきりのようです。
その方の生き方が、失敗だったとか、間違っていたとか、そういうことを言うつもりはありません。
ただ、自分が同じ境遇に身を置くのは嫌だなぁ、と思うのです。
私は人付き合いが苦手なので、おそらく引退した後は孤独な老後になると思いますが、その中でも、毎日、何かを求め続けたいと思いました。
どんなことでもいいんで。
ちょっと、あれについて調べてみようとか、ここの景色を見てみたいとか、こういう工作物を作ってみたい、とかですね。
でも、そういうアンテナというか、動機は、そう思うに足る経験だったり知識がないと、たどり着かない動機だと思います。
どこかの地方に個性的なお祭りがあるから見たい、というのは、出かける理由になりますが、そもそも個性的なお祭りがある、という情報にどうアクセスするのか、と。
漠然と「あちこち旅をしてみようか」と思うだけでは、何もしないままで終わるでしょう。
それに、お金もままならないでしょうから、あちこちに、なんて言ってられないでしょうね。厳選して「これ」という所に行かないと。
そうなると、本当に旅が好きじゃないと、結局はやれにいわけで。今、ろくに旅行とか考えない自分が、そんな老後を送れるわけがないのです。
愚痴っても仕方ないんですけどね。
真面目に、なんかそういうの、見つけなきゃなぁ、と思っています。
