清水に魚棲まず、という言葉がある。
魚の餌になるような微生物もおらず、清く澄んでいるわけだが、こういう水は、ひとところに留まっていても、腐臭を放つことはないんだろうか。
別に、水の話をしたかったわけじゃなく。
空気も同じように、よほど澄んでいないと、留まっていたら腐臭を放つのではないか。
こちらは、物理的な、化学的な話とは少しちがうのかもしれない。ただ、私は、空気が止まっている部屋は、苦手である。
滞って動きを見せない空気は、そのまま重苦しさにつながっている。どれだけ窓から爽やかな光が差し込んでいても、密閉され、空気の止まった空間は、いたたまれない気持ちになる。
部屋が個体となり、人ひとりぶんの隙間を作ってくれないような、圧力を感じる。
なので、自宅では、できる限り、窓を開ける。
風がない時は、換気扇をまわしてでも、強引に部屋の空気が流れるようにする。
そうしないと、私達が持ち込んだ我が家の空気は、けして清いものではないから、そのうち腐臭を放つようになるだろう。
そんな私なので、窓を開けていると心地よい気候は、とても好きだ。