驕り、というのは、人間が持つ基本的な性質のひとつで、環境が整えば誰しもが陥るものなのかもしれません。
例えば政治家、経済界の大物、何かの枠組み、組織の長。
大企業の役員はもちろん、中小企業だって驕る人は出てくるでしょうし。
何かしらのグループ内や、集団の中の序列、というのもあるでしょう。
そして、聞けば「え、そんなところで?」みたいな部分で、驕ってしまう人もいるようです。
先日、今住んでいる賃貸マンションの管理会社から連絡があり、敷地内に借りている駐車場の枠を変えてくれないか、という連絡がありました。
今、1番枠を使用しているのですが、並びの6番と入れ替えて欲しいとのこと。
まぁ、僕らとしては全くメリットのない話です。
といって、デメリットもそこまで大きいわけじゃなく。徒歩で数歩分、自宅から遠のくのと、6番枠は一番道路に近い枠なので、敷地から出る時に切り返しが必要というぐらいですかね。
その6番枠というのは今現在の使用者がいまして、その人と枠を交換するんだとか。
どうもその人は1番の枠が良いようです。
運転が得意じゃないから停めやすい枠を、とか、とってつけたような言い訳を管理会社もしておりました。
でも、知っております。
いま6番を使用している車は、社名が入っているので、おそらく勤め先の車か、そうでなければ自分の会社の車なんでしょう。
それを、頻繁に乗り回しています。公私混同しているのかどうか、子どもの送迎なんかでもその車を使っているっぽいし、まぁ、電車通勤を余儀なくされている僕より全然、使用頻度も高く、その運転も、何度か見かけた限りは不得意には見えません。
その車は軽自動車なので、僕の車なら切り返しが必要な6番枠も、切り返しなく出ていけます。
それでもわざわざ他人が契約しているのを承知で交換しろ、と言っているわけですから、よっぽどの理由があるのか、少しでも自室に近いほうがいいとか、その程度のワガママなんだろう、と思うわけです。もしくは、1番枠は奥まった端っこなので、前に縦に重ねて車を停めるつもりでもあるのか。
いずれにせよ、賃貸マンションでそんなワガママを言えるものなのか、と言うことですが、まぁ、わかりますよね。
管理会社も言い訳の最後に「オーナー様ですので」と。
あぁ、やはりね。
以前から、けして安くないファミリータイプの部屋を2部屋も借りていた家族なのです。
だったらもっとオシャレで1部屋が広いところに住めばいいのに、なんでこんなところでわざわざ2部屋なのかな、と。
そういった疑問などを加味して考えると、リッチな人だなぁ、というよりは、自然と、オーナーの一族なんだろうなぁ、と思いますわな。
で、それが今回はっきりしたわけです。
その軽自動車は、わざわざ駐車枠を交換なんかしなくても、今朝もそうでしたが、敷地内の契約がない空き枠に勝手に停めています。しょっちゅう場所を変えて駐車しています。それを堂々とやっているのもまた、オーナー臭がプンプンしてましたね。
ともあれ。
一般の賃貸人同士なら、他人が既に使用している駐車枠を指差して「あっちがいい!」なんて言わないし言えないし、です。
オーナーなんだから、という「驕り」がそこには見えます。
面白いものです。
賃貸事業をやっているのだから、借りてもらってナンボのはずで、むしろ一般の居住者よりも腰が低くあるべきでしょうに、まるで「オーナーだぞ!」と言わんばかりの行動ばかりしている。
いえ、オーナーだぞ、と思うこと自体は悪いこととは思っていません。そのうえで、どう振る舞うか、と。こんなことで驕ってどうする、と。
あ。
駐車枠交換は快く了承しました。
賃料、安くしてくれるっていうから。
金で釣るあたりもお約束だね〜とか思いながら、まぁ大きなデメリットもないので、そのままお金に釣られておきました。
だって、パーセンテージにしたら35%OFF!ぐらいの値引きです。我が家の車のガソリンを1回、満タン近く入れられる金額の値引きです。
これも、なんだかなぁって思いますね。わざわざ儲けを削ってまで通すワガママなのかねぇ、と。
いや、まぁ別にいいんですけどね。