ベースギター。ここでは単純にベースと呼びますが。
ベースには4本の弦があり、基本的なセッティングとしては、一番太い弦、つまり一番低い音が出る弦の開放弦、どこも押さえずに弾くと出る音。それがこのベースで出せる一番低い音なのですが、それは「ミ(E)」です。
パソコンで音を入力していれば、楽器として一番低い音とか、そこらへんの制限はないわけで、意識する必要はないのかもしれませんが、僕は意識してしまっています。
ポリシーを持ってリアリティを追及している、というわけではないのですが、昔、実際の楽器を使いながらの頃は、よくそのためにベースラインやつながりを変えるのに苦労したからです。1オクターブ上でそのまま弾けばいいかというとそうでもなく、雰囲気が変わってしまうんですよね。
なので、イメージを変えないように、違う流れを考えつつ、雰囲気をそのままに、というと、なかなか大変だなぁ、と。
もちろん、もともとのチューニング(調律)を下げてしまう、というやり方があります。2度下げると一番低い音は「レ」になりますから、そこまでは動けるようになります。
ただし、あまり下げると弦の張りが緩くなっていきますから、弦がぶれて音がビビったり(フレットなどに触れてビリビリした音になったり)するようです。
また、基本的なベースは弦が4本なのに対し、弦が5本あるベースも存在します。この場合、一番太い弦の下に、さらに太い弦を1本足して5本にしていますので、4本弦では出ない低い音が出せます。
お金のこと、技術のことを抜きにすれば、今書いた「音程下げチューニング」とか「5弦ベース」などは、別に珍しいことでもないわけで。
それでも僕が4本弦ベースの基本チューニングに沿おうとする理由は、身の丈にあったことをやりたい、というのがあります。
基本がなっていない自分ですから、ダウンチューニングのようなテクニックは使うに値しないと思っていますし、同様に5弦ベースなど初心者では手が出ないだろうと(買うわけではないのに)考えて、どちらも曲を作る際の前提にはしないようにしています。
例えば「ん?この曲、ベースがEより下に行ってない?」とか突っ込まれた際に、「あぁ、これはダウンチューニングを前提としているんだよ」とか「5弦ベースを使用している想定です」とか、説明しないといけないのは面倒くさいし、あまりカッコよくない気がして。無言で5弦ベースをスッと見せればカッコいいですが、弾けないヤツがパソコンでやってる話ですからね。
なので、4本弦のベースで基本のチューニングを前提にしている中でベースラインは考えようと思っておるわけですが、そんな僕のつつましやかな努力を踏みにじってくれるのは、そう、僕のいわゆる配偶者ですね。
「やっぱこの曲、2度ぐらい下げてくんない?」とか
「ちょっと高いんだよね。1度下げたのオケでくれない?」とか。
いえね。パソコンですから、一括でガツッと上げ下げする方法はあります。
まぁギターやベースは楽譜上に音や奏法を変えるスイッチとしての音符も埋め込んでいるので、それまで一括で動いてしまうのは難点ですが。
ただそれ以上に、うまく決まった、と自分で思っていたベースラインが、その音程下げのせいで下のEをはみ出てしまった時の切なさよ。
作り直しかぁ…と。