kekeの考えること

こういうことを考えてる人もいるんだなぁ

神様の前。

母がどこかで聞きかじってきて、〇〇神社に行ってみては、と、僕らに話を振ってきた。

干支にちなむ催事があるようで、生まれ年が同じである人には良いそうで。


催事というか神事なのかも知れませんが、年に何回もない行事らしく、いわゆる配偶者と詣でてみればずいぶんの人出。参拝を済ますまでに1時間半ほど並びました。

そんな、順番待ちでの出来事です。


僕らの前には、僕らより少し年上か、というぐらいの夫婦が並んでおり、そのさらに前は家族連れだったかな。僕らの後ろは僕らよりやや若いカップルでした。

だったはずなのですが、ふと気付いたら、僕らと、僕らの前の夫婦の間に、女性が一人並んでいるんですよ。年の頃は僕よりだいぶ上と思われ、前後にはいない年齢です。

思わず「あれ?」とクチにしてしまいました。


ちなみにその神社では、並んでいる最中も、行列の脇に別の社があったりして、列から抜けてお参りする人がいるんですね。僕らの前の夫婦も、奥様の方が抜けて参拝し、戻ってきたら今度は旦那さんが参拝し、という感じでやっておりました。僕らは面倒だったんでそういうことはしませんでしたが、他でも同様のことをやっている人たちはたくさんおりました。まぁ、それは別に悪いことでもないと思いますし、時間の有効活用でもあります。


いわゆる配偶者に「え?この人いたっけ?」と確認すると、少し前に、行列のそばの社に参拝していたようです。その後、何食わぬ顔で僕らの前に並んだらしく。

ちょうどその時、僕や配偶者はお賽銭のことで財布をひっくりかえしてああだのこうだのやっていたので(小銭の持ちあわせがなかった)、まわりをよく見ていなかったんでしょう。列から抜けて参拝する人がたくさんいたこともあり、特に僕は、抜けた人が元のところに戻った、ぐらいにしか感じていなかったんだと思います。

あまりに堂々としており、あまりに悪びれていないものですから、僕は気付いてすらいなかった、ということですね。


その方は、おひとりで来られているようで、だから列から外れると、復帰できなくなるということでしょうね。

それはわかるんですけど、でも、それはそれ、という気がしないでもない。というか、後ろの人に一言、言い置いてから列を外れれば、こういう場ですし、文句言う人もおらんだろうに。なんでわざわざリスキーな方法を選ぶのか。後ろに声をかけるのも嫌だったら、仕方ないので行列の目的である本殿の参拝が終わってから、行列の横をすり抜けて脇の社を参拝する、という手がある。というか、これが一番スタンダードかと思いますが。

一人でこの混雑の中にわざわざ乗り込んでくるのだし、寺社巡りがさぞお好きなのだろうと推察するのですが、でも、参拝の仕方はあまり通っぽくなかったので、よくわからないなと。横入りしてまでやることなのか、と。


いかんいかん、クチが過ぎました。

ま、その時も、神様の前でしたから、あからさまに文句言うのも憚られますし、ギスギスしてしまうのもあれなので黙っておりました。

でも、多分あの人、行列の目的である本殿の参拝が終わるまで、ドキドキだったんじゃないかと思うんですよね。いつ、僕らに文句言われるかわかりませんからね。

だから、むしろ一言、僕らに言ってくれれば別に前に入れてあげてもいいと思うし、なんなら列から外れたらまた戻ってきてくれてかまわない、と思うのですが。なぜわざわざ苦労する方を選ぶのか。


もちろん、その人の本性はわかりません。

思いっきり天然で、もしかしたら「元の位置」に戻ったつもりでいるのかもしれませんし、確信犯で常習犯なのかもしれません。


ただ、神様の前でそういうことをするのは、事情はどうあれ、あまり気持ちのよいものではないな、と思ってしまいます。