道。

好きな道って、ありますか？

徒歩であったり自転車であったり、自動車、バスなど、いろんな交通手段はありますが、そんな中で、好きでつい通ってしまう道。

何の変哲のない道なんだけど、つい、あっちに行くにはこの道を使ってしまう、みたいな。

僕にはそのような道がけっこうありまして。

例えば、僕は願掛けのような感じで、毎月、車で八王子という街へ行き神社へ参拝しています。

そして、我が家から八王子までは国道を含めいくすじかの道路を選択できるのですが、僕には遠回りであっても"この道"というのがあります。

早さや距離で言えば、国道を使っていくのが早い。なんせ、八王子自体がほぼその国道沿いに街があります。

ですが、僕は国道を跨いで、ぐるっとまわりこんで、反対側から八王子にアプローチする道が好きです。

こちらは県道で、国道に比べれば道の規格も規模も劣ります。

ですが、こちらの道は途中に名刹寺院があり、また、某ジブリ作品の舞台となった街を通過する道です。もちろん、通り沿いにそれとわかる景色があるわけではないですがね。そんな、ちょいとばかり見どころもある道です。

多摩川と、その南に広がる丘陵地帯の間を東西に走る道で、西に向かっていると途中から支流沿いになるのですが、とりあえずなんの変哲もない道です。しかし、空が広いせいもあるのか、天気の良い日は、とにかく景色が明るい印象で、走っていて気持ちのよい道なのです。部分的には混雑し渋滞もしているのですが、それをあまり嫌と思わせない雰囲気がある、と、僕個人は思っています。

他には、少し趣が違いますが、昔の電車線路跡に出来た道を辿るのも好きです。

昔、仕事で世田谷区の二子玉川あたりをよく車で移動しておったのですが、あのエリアは、二子玉川を起点にかつて線路が敷かれていた跡地が生活道路になっている部分があります。

おおよそ2kmほどなのですが、そのほとんどが生活道路として使用されていますので、自動車でもそのルートをほとんど辿ることが出来ます。ただし、本当に生活道路として溶け込んでいますので、あらかじめ調べておかないと、これだ、と気づくのは難しいかも知れません。

終点駅跡地は公園になっているのですが、当時はその公園でトイレを借りるのが日課のようになっておりました。

住宅街の中を縫うように走るので、景色がいいとか、そういうわけではないのかもしれませんが、かつてそこを電車が走っていたんだ、と思うと、確かに道路としては不自然な作り（いかにも島式ホームがあったかのような土地が道の真ん中にあるとか）であったり、昔の景色を想像しながら走るのが楽しかった記憶があります。

記憶が正しければ、その路線は玉電と呼ばれた路線の支線だったと思います。もともとは、多摩川の砂利を搬出するのに敷かれたんじゃなかったかな。記憶だけで書いていますので、間違っていたらすいません。ともあれ、なんか、こういう歴史ある道も好きです。

というわけで、僕の好きな道のうち２つを紹介しました。

どちらも、気にしなければ何の変哲もない道なのですが、僕はなぜか好んでしまって、そのエリアを走る場合はたいてい、その道を走りたがります。

道なのか、その景色なのか、はたまた土地なのかはわかりませんが、もしかしたら、相性というのがあるのかもしれませんし、道に自分が好かれている、ということも、あるのかもしれません。