今週のお題「餅」
どうしてもお餅というのは「正月」というイメージが強く、目出度い物、縁起が良い物、という印象がある。
なので、餅は、古来より縁起を担いだり、しきたりに従って食べるのがよく、そうなると、あまりレパートリーも増やせない。
…というのが、僕個人の印象である。
なので、餅と言えば、汁物に入れるか、焼くか、がほとんどである。
ちなみに我が家の雑煮は味噌ベースだ。わかりやすく言えば、みそ汁に餅が投げ込んである状態である。
雑煮は地域で違いがあるらしいが、味噌ベースの地域は、全体的に見ると少な目のようだ。京都や、その近隣の県に見られるらしい。
我が家は、ルーツを辿っていくとそのエリアに行き着くらしいので、先祖代々、味噌ベースを守ってきた、ということだとう。
ただし、味噌ベースの雑煮は、煮た餅を入れるらしい。我が家の餅は、焼いてある。
焼いた餅を入れる、というのは広く分布していて、東海地方から東北地方にかけては、一部を除きほとんど「焼餅」を入れるようだ。
ただ、これらの地域はすべて、味噌ではなく「すまし汁」だそうだ。
焼いた餅を味噌に入れて食す、という我が家流は、ざっくりとした全国の「お雑煮紹介」サイトなどでは見つけられなかった。
まぁ、限定されたどこかの伝統というより、我が家流のアレンジというか、適当にやっていたら自然とこうなったのだろう。
それに我が家は「すまし汁に焼餅」の地域に住むようになって何代か重ねているわけで、そうしていれば折衷にもなるであろう。
本来、地域に根付く由緒正しい雑煮は、入れる具材とか、その切り方とか、なんかいろいろと「作法」はあるらしいが、我が家のそれは、折衷と言えば聞こえはよいが、要は適当で、本当に、日常的な味噌汁に焼いた餅が入っている状態だ。
それでいて正月だから、何日分かは作りおくわけで、よくありがちなのが「豚汁」であった。
具材がたくさん入っていて栄養があるのは確かだが、たくさんの具材が仇になり、餅が溶けるといろんな具材に絡みつき、すべてが一体化してしまい、とても食べづらくなる。
個人的には、雑煮を食べる時は、具材はあまり多くない方がいいと思っている。餅は餅、味付けに汁。これで良い。
しかし、名前が雑煮というからには、餅だけでは成立しないのかもしれず、悩むところである。
というわけで、ただの「我が家の雑煮紹介」になってしまったが、このように、昔から続く伝統料理、というのは、地域性以外にも、各家庭の「アイディア」や「手抜き方法」が盛り込まれて、多くの流派がありそうな気がする。
餅をどう食べるか、というお題ではなくとも、我が家の雑煮、というだけで、千差万別のレシピが出てきそうな気がする。>