その道を究めよう、という方々の旅には、終わりがありません。
客観的に、世界一であろうが、歴史を遡ってもここまでの達人はいない、と判明しても、その追究は終わらないでしょう。
なので、技術職、専門家、職人というのは、いつまでも上を見続けていて、たぶん、上を見たまんま、この世を去るのでしょう。
さて。
長い長い旅路の、どこらへんにいるかは人それぞれありますが、僕の、いわゆる配偶者も、そのような旅路におるようです。
マイワイフの場合、長い旅路と言っても、その道の達人が世界三周ぐらいしているのに比べると、やっと住まいから隣県ぐらいには来たかな、という距離感ではあると思いますが。
ただ、年齢などを鑑みても、それを楽しんでやっているのは素晴らしいことです。僕なんて、自宅の玄関からもう数十年、出ちゃいません。
で。
いわゆる配偶者が楽しんで続けていること。それは、歌です。
幾度か書いたことがありますが、彼女は若い頃、バンドでボーカルをやっていました。もちろん、売れない、客もつかない場末のバンドです。
人生の荒波(自分で引き寄せた波ですが)に翻弄され、不完全な形で辞めたのかもしれません。歌いたい、という思いはあったようです。
そして、僕が昔バンドをやっていたことがあり、作曲などもやっていたことがあったので(こちらも客のいない場末のバンド)、共通の趣味として、いい歳こいて始めたのがきっかけです。
これも何度かブログで書いていますが、作るからには、誰かに聴いてもらえる場に楽曲を置きたい、というのがあります。
ただ、マイワイフが終わりなき道を歩み始めてしまったので、それが叶うのかどうか、怪しくなってきました。
レッスンに通い、自分の声の錆つき具合や、スキルの無さを痛感し、それでも上達することを楽しんでいる最中です。
仮に、「今現在の声でいいからレコしようよ」と言っても、おそらくOKしないんじゃないかと。
一定の、自分が許せる水準までレベルが上がらないと、レコする気にすらならないんじゃないか、というのは、僕もその立場なら、わかるなぁ、という感じです。
が、じゃぁその「一定の水準」がどこにあるか、というと、それはもう、傍からはわからないですし、おそらくまわりが思っているよりも「先」にあるんじゃないかと思います。
そんなわけで、後ろの音を入れている立場として、どうしようもなくなった僕はどうしようかな、というのが最近の悩みであるわけですが、待っていても埒があかないので、とりあえずインストでも作ってみようか、という気持ちになりつつあります。
楽器を弾けない自分としては、インストのほうが難しいのだと思いますが、曲調を、いわゆる配偶者の趣味に合わせる必要もなくなりますので、プラスマイナスはないかなと。
大人な曲は描けません。幼稚で、単純で、辿々しいかもしれませんが、とりあえず、そんな気持ちに、なってはおります。
ただ、いわゆる配偶者に相談はしていないので、始める前に許可をもらっておかないと、面倒になりそうです。