9月の給料日は、我が家の猫の誕生日でした。
2匹いるうちの、下の子です。僕のアイコンになっている子です。名前は、こてつ君です。
本当は“虎鉄”らしいんですが、見た目は“こてつ”です。さらに私は略して“こて”と呼んでいます。
えーと、4歳になるんだったかな。時が経つのは早いものです。
この子は、ペットショップ出身です。
僕は、ペットショップで動物を買う、という行為には慣れておらず、基本的に子どもの頃から接してきた犬猫は、どこかのお宅で生まれて貰ってきたか、野良や保護猫などを引き取ったりでした。
現に、我が家に先住としている猫は、保護猫です。保護団体の里親会で出会いました。
この子がペットショップからやってきた理由は、まず、配偶者が一目惚れしていたことです。
ただ、最初のうちは、ペットショップから買う、ということに抵抗があったので、僕は賛成しかねていました。
そんなにかわいいなら、そのうち売れるだろうし、そうしたら諦めもつくだろうと。
ところが、全然売れないみたいで、配偶者がホームセンターに行く度、大きくなっていくのを見ていたそうです。
そして、配偶者の心に、ある不安がよぎります。
この子、このまま売れなかったら、どうなってしまうのだろう。悲惨な運命が待っていたりしないだろうか。
いてもたってもいられなくなった配偶者は、それから幾度となく、僕に強くアピールしてきました。
「けして僕たちは豊かな生活ではない。ワケあってお金がかかることもしている。よーく考えてから決めなよ」
「…わかった、考えてみる」
と、言った次の日、こてつ君は我が家に来ていました。
帰宅した僕の第一声を、覚えています。
「え?」
でした。
「よーく考えたの?」
「よーく考えたよ」
「そっかー…」
そんな感じでした。
配偶者は、僕に恨みを持っています。
我が家に来た時のこてつ君も、まだパヤパヤ毛が残るぐらいの子でしたが、配偶者とこてつ君の最初の出会いは、もっともっとちっちゃい仔猫だった時。
僕のせいで、その、めっちゃちっちゃかった頃のこてつ君と過ごす事が出来なかったからです。
ま。
今でもちゃんと溺愛しているので安心しています。ちょっと度が過ぎてぽっちゃりしちゃったこてつ君ですが、配偶者は毎日モフモフして、毎日逃げられて、をしています。
今では家族ですから、出自は関係ありません。
ある日、こてつ君の歌を作りました。
酔っ払った僕が、その勢いで歌詞を描き、それに配偶者がメロをつけてきたので、後ろの音を作らざるを得なくなりまして。
我々には珍しく、“みんなの歌”にでも出てきそうな、優しい歌になりました(当社比)。日頃はメロディックメタルとか聴いている我々です。
これもまた、こてつ君がもたらした幸せであり、命と命の出会いなのでしょう。