トイレに向かう、いわゆる配偶者。
その後をストーキングするお肉猫・こてつ。
まぁ、トイレに一緒に入れてもらえるわけもなく、締め出しをくらう。
少しすると、こてつは待ちきれなくなるのか、トイレの前で、その図体からは想像できないかわいいキティーボイスで、うにゃぁ~、と鳴く。
いつものことなので、特に私も反応はしないわけだが、しばらくして、いわゆる配偶者がこてつと会話をしていた。
「どうした、おか~んって呼んで。さみしかったか」
「うにゃぁ~」
「そうか~さみしかったか~」
「ちがいます」
「うわ、びっくりした」
「ちがいます」
「でも、おか~んって言ってた」
「ちがいます。うにゃぁ~です」
「いいや、おかんって言ってる」
「うにゃぁ~です。猫ですから」
「うにゃぁ~」
「ほら、おかんって言ってる!」
「いいえ。どうでもいいから早くかまえ、と言っているのです。はい、ねこじゃらし」
「飯抜きね」
「え」
ほ~らこてつおいで~、という声に誘われて、こてつは私の足を踏んづけていきましたとさ。
そういうところ、猫としてどうなのさ。