人間、ある程度の歳になってくると、自分の弱点というかダメな部分が見えてきて、少しでも被害を抑えるため、予め対策を講じるようになります。
ポイントは、弱点自体を克服するのではなく、弱点が発動してしまわないようにパッチをあてる、みたいな感じであるところですかね。
若い、と言われるうちなら、克服、というのも可能なのかもしれません。それでも、根っからの性格に根ざすものは、なかなか克服は難しいと思います。
人類不変の弱点として、おっちょこちょい、というのがあります。
これを克服って、なかなか難しいです。
傍から見ている分には、何度言ったらわかるんだ、と思わず言ってしまうことを、それこそ何度でも繰り返します。
内容はとても“しょうもないこと”で、例えば、忘れ物なんて典型的なものでしょう。
必要な物を持ってくるのを忘れた、という、いわばメイン部分でやらかすこともあります。学校に教科書を持っていくのを忘れた。会議資料を持ってこなかった、作るのを忘れていた、など。
ただ、じわじわとイタイのが、脇役です。
家の鍵、定期券、社員証、財布、スマホ。毎日のことで当たり前になっていて、その日その日の主役ではないこれらは、だから気付くのも遅れたりします。
で。
そのため、人は、メモを取ったりします。
メモを取ったことを忘れないように、メモを置く場所を決めたりします。
ノートにメモると書いた場所が見つけられなくなるので、必ず紙1枚単位でメモを作ったりします。
見ずに捨ててしまわないように、自分の注意を引く書き方だったり、派手な用紙を使用したりします。
それでも、忘れる時は忘れるのが人で、忘れたことが判明した時には、その対策が念入りであればあるほど、自己嫌悪も激しくなります。
うっかりミスとか、忘れ物とか、こういう類の一番の対策は、自分がそういう“ダメな人間だ”というのを、どこまで骨身に滲みて受け止めるか、だと思っています。
個別具体的な対策ではなく、自覚ですね。
私は、幼少の頃より筋金入りのおっちょこちょいなので、とにかく自覚し、こうしよう、ああしよう、という対策よりも、自分はおっちょこちょいだから忘れるぞ、やらかすぞ、という脅迫を自分に行っていた気がします。
はなから出来の違うエリートさんはわかりませんが、私レベルの人間ですと、公私問わず、困ることの大半はこういうことが根っこだと思いますので、忘れ物をしない、うっかりをしない、というのが、実は人生設計において多くのウェイトを占めると考えています。
致命的なおっちょこちょいも何度か経験し、その度に、二度とやらないぞと心に誓い、それでもたまにやらかすんだから、ほんと、人間って不器用というか、懲りないというか。
あ、私だけですかね?