今でこそ電車通勤の私だが、なかなかどうして、長いこと電車通勤は慣れないものだった。
まぁ、今でも慣れたものではなく、決められたルートを行ったり来たりするぐらいは出来るようになった、というレベルだ。
これまで、移動の基本が車だったので、電車は必要最低限しか乗らない。
だから、プライベートで電車に乗ることはほとんどないし、乗るときはとても緊張している。
先日、関係会社に用があり、自宅から直行で向かった帰り、JR総武線に乗る機会があった。
下り方面に乗り、中野止まりだったので乗り換えて、そのままさらに西へ下ってゆく予定だった。
さすがに、そこまて難しい乗り換えでもないので、イヤホンで音楽なぞ嗜みながら、比較的空いている電車に揺られて、ブログを書いていた。
今はどのへんだろう、と、ブログを書く手を休めず、片耳だけイヤホンを外し、聞こえてきたアナウンスは「荻窪」だった。
まだまだだな、と、一安心し、再びイヤホンを装着し、そのままブログを書いていたのだが、ふと、隣の人が降りるのに気を取られ、目に入ったドアの上の電光掲示板に流れた駅名は、
「大久保」
だった。
おぎくぼ、と、おおくぼ。
うん、確かに似ている。勘違いしても仕方ない。
相変わらず、自分はおっちょこちょいだな、と、自分を嘲っていたところで、時が止まる。
関係会社のある、最初に乗った駅からであれば、荻窪まで来たと思ったらまだ大久保だった、で済むが、乗り換えをした中野は、荻窪と大久保の間にあったはずだ。
いかん!
久々に「駆け込み降車」を経験した。
たかだか一本道を帰るだけでこれだ。不思議な力で再びもとの駅に戻ろうとしている自分は、苦手以上の何かが、電車にはあるようである。