いわゆる配偶者から言わせると、私は「鈍い人」です。
痛みに鈍い、怪我に鈍い、病気に鈍い、といったところでしょうか。
痛みを感じないわけではないです。
痛みは痛みとして感じますが、少なくとも、いわゆる配偶者よりは感度が鈍い。私からすると、いわゆる配偶者の感度が良すぎるというか、反応が大げさなだけだ、と思うのですが、まぁ、こういう感覚的な問題は、どっちがどっちとは言えませんからね。
何年も前になりますが、ある時、右の足先から細菌感染をしてしまい、足先がパンパンに腫れてしまったことがありました。
仕事の革靴など履けるわけもなく、右足だけサンダルをつっかけておりました。客先に顔を出す時だけ、無理やり革靴に足を押し込んでいくスタイル。
医者にはかかりましたので、指定された薬を塗って、包帯でグルグルにしていたのですが、そのおかげで皮膚はまるまるずる剥けてしまい、見た目にはなかなかのホラーというか、グロテスクな状態になってしまいました。
それはそれで、痛いのは痛いのです。
皮膚がずる剥けた状態で、ガーゼや包帯でグルグルにして、それを窮屈な靴の中に押し込めるわけですからね。
歩くたびにこすれて痛かったのは確かです。当然、あまりこすれないように、引きずるようにというか、あまり足を地面につかないようにして歩いていたのは記憶にあります。
でも、まわりからは、表情はいつものままだったそうで、いまいちその深刻さは伝わっていなかったようです。
私自身が深刻に考えてなかったので、当然と言えば当然ですが。
当時、知り合いの救急救命士に聞いてみたところ、絶対安静で入院するレベルの感染症だったそうです。
私がかかったのは町医者で、入院までは言われなかったですが、確かに絶対安静、仕事も休んだ方がいいとは言われておりました。
同じような時期、胃潰瘍もやったのですが、その時も、上司から「病院行け」と命令されるまで、そのレベルのことだと思っておりませんでした。自分で気づいておりませんでしたが、激ヤセしたんです。10㌔ぐらい一気に落ちたんだったか。
今となっては思い出ですが、確かに、私は痛みや異常を病気などに結びつけて考えることが出来ないんだなぁ、と思いますね。
今は、そういう意味でなく、加齢からくるガタが出てきていますので、否応なく体の調子は気遣うようになりましたが、相変わらず突発的な痛みについては、ただ痛い、で終わらせるクセが抜けません。
いまは肩が痛い。四十肩だろうし、ほっとけば治るだろう、と、思っているのですが、もう数年越しで痛い。
とはいえ、実生活に影響が出るほどではないので、なんとなく何もしないでおりますが、これもよくないのだろうか。
いわゆる配偶者に「肩が痛い」というと、病院に連れていかれそうなので、言わずにおります。