娘が、マスク焼けしている。
常日頃、マスクを着用しているおかげで、マスクの形に顔が日焼けしてしまっているのである。
もしかしてそういうこともあるんじゃないかと思っていたが、やっぱりあるんだなぁ、と、じっくり見てしまった。
本人は、恥ずかしいから見るな、と言い、マスクをしてしまうのだが、そうするとますます、マスク焼けがクッキリしてしまうという罠。
これは、日焼け止めを塗れば予防できるのだろうか、などと思ったりもするが、何か、根本的に間違っている気もする。
海外じゃ、マスク着用義務を撤廃するところもあり、日本でも、政府は、屋外では着用しなくてよい、というアナウンスをしているようだが、まだしばらく、少なくとも日本では、この文化は残りそうだ。
なら、せめてファッショナブルに、お洒落も同時に、というところに行き着くわけだが、そうなると、この日焼け問題、日焼け跡をアートにしてはどうなんだろうか、と思ってみたりする。
結局、口許は鼻にかけて覆わないと意味がないので、ここが白くなってしまうのは避けようがない。
では、マスクから耳にかけての、ストラップ部分を複雑にし、幾何学模様とか、何かの絵になるとか、そんな感じにすれば、マスク焼けも楽しめるのでは…
と、想像してみたが、私が発想する限り、オシャレにもクールにもならない。
口許に、広く日焼けしていない白い部分が残ってしまう以上、顔がツートンカラーになってしまうのは避けられない。ほっぺたに多少、アーティスティックな日焼け跡があろうと、遠目には、上半分が黒く、下半分が白い人にしか見えない。
マスクから下、首もとがまた日焼けで黒くなっているのなら、口許だけが白く浮かび上がることになり、少々のアートでどうにかなるものじゃないなぁ、と。
まぁ、これから冬に向かうので、マスク焼けとは縁が遠くなる。その間にじっくり構想を練って、来年の夏には、画期的な何かを、というところまで考えて、ふと思った。
来年の夏は、誰もマスクをする必要がないこと。これが、アートを超えた、一番の感動だろう、ということだ。