ウクライナでの戦争は、随分と長引いている。
私のように、その危険に身を置いていない立場で、更に素人であれば、言及するのもおこがましいことではあるけれど。
ウクライナの作戦立案には、NATOであったり、その中でもアメリカやイギリスなどの関与があるような報道を見たりする。
それについては、真偽の確かめようもないし、そうなのか、と思う以外にない。
が、ウクライナ側の作戦行動とその成果を見ていると、何やら超絶有能な軍師でもいるのではないかと、歴史好きな私としては、そう表現してしまう。
見事な陽動作戦や、数の上では劣勢である中で、政治的効果も狙って進撃、打撃のタイミングを図るなどは、戦術だけでなく、戦略も描ける頭脳が、ウクライナに存在すると嫌でも思う。
これが仮に、アメリカなど軍事超大国の頭脳が描く戦略、戦術だったとしても、それはそれで、また違った驚嘆がある。
軍事超大国であるがゆえ、アメリカ自身が戦うのであれば、自前の最新ハイテク兵器でゴリ押せば、たいがいの敵は潰せるだろう。だから、そんなに戦術を綿密に組み立てるのは得意じゃないのでは、と素人の自分は考えてしまうが、やはり戦略、戦術の立案についても「超大国」なのだなぁ、と感じてしまう。
まぁ、仮にアメリカやイギリスと言った、他国の作戦立案であったとしても、それを見事に完遂するウクライナ軍の統率力も、相当なものだと思う。
なので、いずれにせよ、ウクライナには軍人として有能な人材があるのだろう、と思う。
歴史では、よく見る場面ではある。
野心もなく、平和であれば田舎の一官僚で終わったはずの人間が、国家存亡の戦争に巻き込まれたことでその才を発揮し、竹帛する。
戦国時代の斉、田単なんかはそんな存在ではないだろうか。
そんなわけで、本来は、天才軍人なんぞ現れない方が、国は平和なのだろう。
まだ、戦争が終わったわけではないものの、世界の予想を裏切り、ロシアを追い詰め、おそらく第一線の覇権争いから脱落せしめる「英雄」は、どこにいるのか。
こんなスタンスで、現実の戦争を見つめるものではないことは、わかっている。
最善は、今、戦争が終わることだ。
ただ、それほどの戦略家は、さすがにまだ見えてこない。