kekeの考えること

こういうことを考えてる人もいるんだなぁ

ひとりごと。

不謹慎な内容かも知れませんので、予めお断りしておきます。


背水の陣、というと、日本では諺というか、故事成語として知られています。

自ら逃げ道を捨てることによって、決死の覚悟を持って臨むとか、そういう感じの言葉です。

ですが、本来は、背水の陣は退路がないことから、攻撃を受けてしまえば退くことが出来ないため、被害が大きく、全滅や壊滅の恐れがあることから、やってはいけない布陣のひとつだったわけで。

歴史上、あえてそれをやって勝利を得たのは、楚漢戦争時代の元帥、韓信だったかと記憶しています。

で、その印象が強く、背水の陣は勝利のための作戦のように伝えられたのだと思いますが、本来は、やってはいけない愚策であるわけです。

韓信は、国士無双、兎死して走狗煮られる、という言葉でも知られる人で、思いのほか、現代のサラリーマンにも通ずるような人生の人ですね。
まさに国士無双、有能な人であったけれど、社長にその才能を恐れられ、左遷の憂き目にあう、と。


話が逸れました。

まさに、現代の背水の陣を思わせるような出来事が、宇露戦争(ウクライナ・ロシア)で起きたというニュースを聞きました。

川を挟んで対峙し、両軍とも砲撃の応酬であったヘルソン近くのドニエプル川で、宇軍が川を渡った、というのです。


まだ、詳細が明らかでないうえに、今後の展開次第というところもあるので、一概には言えません。それでも、何か必勝の確信を持って川を渡ったのであれば、そしてそこがヘルソン南部奪還の足掛かりになっていくのだとしたら、この作戦を考えた司令官は、やはり相当な人物なのではないでしょうか。


これまでの兵の進め方を聞いていても、作戦面においてはやはり宇軍が圧倒的です。

西側の兵器が入っているにしても、国防で一致団結しているにしても、幾度となく世界を驚かせた用兵と戦果には、やはり相当な頭脳が作戦立案を行っているようにしか思えない。あらゆる面で数に勝る大国を、ここまで振り回しているのですから、それだけでもすさまじいことです。

露軍が、ヘルソンから戦略的撤退と言っていながら、その実はただの逃走であった、というような話もありますが、それにしても、川を渡れば露軍に満ちた土地へ、ただ勢いで突っ込むには、素人の私でも、さすがにためらいを覚えると思います。


毎度、宇軍の戦い方は、将棋を指しているような戦術のきらめきのようなものを感じて、不謹慎ながら、感心しっぱなしです。

今回の渡河にあたり、露軍からの反撃がなかったということなので、それはそれで不気味な静けさとも言えますが、宇軍の作戦行動を見ていると、今回の独断専行にも見える渡河も、陽動を含めた、どこか意外なところに影響を与えるための一手、ということも考えられます。そのほかのすべての用兵も、何かの陽動であり、実は本質であり、という、虚実を操った、歴史上の名軍師の采配を見るような用兵です。


ただし。

最終的には物量作戦が一番強く、多くの場合は、大国が小国に勝つのが基本です。

どれだけ鮮やかに勝っても、大局的に見れば、大国が小国に攻め込んでいて、小国による必死の防戦のひとつでしかないわけで。
強いて言えば、これからの世界の在り方のために、ひとつの国が犠牲になるという景色の中の一場面、という言い方も出来てしまう。

勧善懲悪に酔いしれることなく、冷静に先を考え、手を打っていってほしいものです。

えらそうなことを言えるほど、知識はありません。