これまで、幾度となく緊急事態宣言、蔓延防止条例を経験し、外出自粛、営業自粛を乗り越えてきた我が国。
乗り越えた、というと語弊がある。乗り越えきれなかった方、乗り越えようと今ももがいている方、様々いらっしゃる。
そして、そもそもまだこの災いは終息していない。
そんな2年間を経て、よくも悪くも、国民みんな知恵がついたというのはあるように感じる。
国の施策についてあれこれは言わない。
が、全体を見て、全体のことを定めていく中では、視界に入らない人達が発生する。
また、考えたくはないが、多を救うために少を切る、という考えも、全体を見つめる中には、あったかもしれない。
そんな中で、それぞれが考え、それぞれの意見、方針などを持ち、国や自治体へ期待をせずに、自ら行動を考える、という気風が生まれたように思う。
それは、国へ救済を求めるという行動かも知れないし、国や自治体に従わず自らが家族を守るという決意かもしれないし、祈りを捧げ平穏を取り戻そうとする思いかもしれない。
また、経験を経て、予想、予測する能力も長けたと思う。国や自治体の施策や方針を待たず、新たな情報に接したら、国民が先回りして「こうなるだろう」「こういう施策が行われるだろう」というのを前提に考え、動くようになったと思う。
もちろん、わかっていても身動きが出来ない環境の方は多くいらっしゃるだろうから、先回りできているのが賢いとか、そういう話でもない。
いや、大層な話をしたかったのではない。
昨夜、帰宅時間帯に車を運転していたのだが、いつもより混み方が激しかったような気がしたのだ。もちろん、
・週末の夜であること
・給料日後であること
・会社により賞与後であること
・師走
など、混雑するに足る条件は幾つかあるものの、何か、いつもにはない混雑があったように感じるのだ。あくまで私の視界の範囲での話であるので、それはご了承願いたい。
何か、他に要素があるだろうか、と、渋滞にはまりながら考えていたのだが、ひとつ腑に落ちたのが、新しい変異株だ。
日本にも数例だが持ち込まれており、濃厚接触者を追いきれているのかどうか、ともかく、まだ小規模ではありながら、上陸を許してしまっているのが現状だ。
この、新たな変異株上陸のニュースに触れた瞬間、多くの人の頭の中で、この2年間がフラッシュバックしただろう。そして、経験した知識から今後を予測しているだろう。
この、我々を苦しめる災いは、まるで何かの意思に操られているのか?というぐらい、その脅威の波が、我々の痛い所ばかりをついてくる。
今回もこのタイミングだ。
皆、瞬時に「年末年始」に暗雲を見ただろうことは想像に容易い。
なら、国や自治体が大きく動き出す前だ。つまり、今週、せいぜい来週ぐらいまでた。
そう考えて、急遽外出予定を繰り上げて、結果、交通が集中したのではないか。
1週間の疲れがどっと吹き出てきた週末の夜、渋滞に巻き込まれながらそんなことを考えていた。
私も、今年こそは、と考えていたが、また親戚には会えないだろうことを前提に、出掛けられないだろうことを前提に、年末年始の予定を考えておこうと思う。