私のいわゆる配偶者は、先日まで仕事の通勤に100ccのスクーターを使っていた。
ちょっと落着きのない人で、急遽転職することになり、バス通勤に。我が家でスクーターを使用することが全くなくなってしまった。
色々と思い出の詰まったスクーターなので手離すことは考えていないが、さすがに現在の生活で使用するタイミングがない。
10年以上前に中古で買ったスクーターなので、色々とガタが来ているし、何より、放置しておくとそのまま苔むして朽ちてしまいそうである。
そんなわけで、週に1~2日、仕事が早く終わった日などに、帰宅後、30~60分ぐらい、スクーターで近所を徘徊、いや散策することにしている。
このスクーター、以前に調子が悪くてバイク屋に持ち込んでみてもらった時には、エンジンオイルが減っていた。
2ストロークではないので、基本的に減ったら足す、という運用のものではないだけに、エンジンがオイルを食っているのか、どこかから漏れているのか…。
また、フロントブレーキの調子もおかしい。自転車でいう右手のブレーキだ。
効きがどうこうではなく、どうもブレーキレバー、またはワイヤーがよくないようだ。どこかが固着しているのだろうか。
という風に、スクーターの不具合を探しながら、近所の徘徊、いや、散策を楽しんでいる。
DIYで修理できればよいのだが、なんせ私は不器用の申し子なので、おそらくはまたバイク屋にお願いすることになるだろう。
購入店ではないので、ちょっとそっけないのが悲しいが、それはまぁ仕方ない。
ちなみに購入したのは某大手買い取り販売店で、購入時に担当者はおくびにも出さなかったが、購入後一週間ぐらいでその店舗はなくなった。
「いつでも持ってきてください!」というあの笑顔が、今でも忘れられない。
さて。
職場で部署が変わる前は、あまり時間の作れない日々だっただけに、引っ越して3年目のこの街のことを、私はまだよく知らない。
こうしてナビもなくスクーターで走っていると、すぐに道に迷ってしまう。再開発や都市計画などがまだ不完全な場所で、昔からの道が右に左に蛇行しており、Uターンしないで元の場所に戻るには、地図が頭に入っていないと無理そうだ。
だが、逆に、こんなお店があったんだ、とか、この公園は広そうだなぁ、とか、そういう発見がある。
ちょっと古めかしい、商店街のなごりのような、お店の集合体などたまらない(景色として)。
もともと、自分と相性は良さそうな街、という印象だったが、改めて、相性は悪くないと感じる。道に迷っていて楽しい。
それでいて、中途半端に都会だ。しばらく迷えばでっかい幹線道路にぶつかるので、そういう時に自分の位置関係が把握できる。なので、帰宅するのに困難はない。存分に迷うことが出来る。
今日は東に行ったから、次は西に行ってみよう。
全方向行ったら、今度は奥行きを広げてみよう。
あの生活道路を、ひたすらまっすぐ行ってみよう。
と、また徘徊、いや散策する気にさせてくれるのは、うれしい誤算だ。
しばらくは、スクーターをかまってあげることが出来そうである。