今の大卒、新卒採用は、3人に1人が3年以内に退職すると、とある経済系のYoutubeチャンネルで言っておりました。
まぁ、退職といっても、その多くは転職なんでしょうけどね。ただ、直接別企業へ転職する人もいれば、一旦は無職になる人もいるでしょう。
私のような、先見の明もなく、ただ生物的な反射だけで生きているような人間には、当然ですが、日本がこのように転職、退職が当たり前の国になるとは想像していませんでした。
もちろん、すぐに仕事を辞めたり別の会社に移ったりせずに、かつての日本のように「骨を埋める覚悟で」一企業に勤め上げることが正しいのかどうかはわかりませんので、これが良い風潮なのかどうかも判断がつきません。
とはいえ、日本には悪いところもたくさんあるけれど、その裏返しとしての日本らしさや長所もあると思いますので、かつて日本を形成してきた文化、風潮がなくなっていくのは、漠然とした不安のようなものがあったりします。
私の記憶というか理解では、今のように退職を気軽に(?)悪びれす出来るようになった発端は、企業側のリストラが先にあってからだと思います。バブル崩壊、不況というやつですね。その頃から、今までの終身雇用とは違って、会社のためにいつでも社員を切り捨てる、ということに企業側がためらいがなくなりましたし、実際にあちこちで断行していました。
なので、売り言葉に買い言葉、とは違いますが、雇い入れる企業がそういうスタンスなのだから、雇われる側だって骨を埋める義理がなくなるし、なんなら切られる前にこちらから見切ってやる、という風潮が生まれるのも当然です。
ただ、企業だって生き残りが必要ですし、そもそも企業が潰れればもっと多くの従業員が職を失うことになるわけですから、いずれにせよやむを得ないことだったとは思います。
まぁ、でも、あくまで発端です。
その当時の転職、退職は、リストラだの倒産だの、と、今のそれとは意味も違って、企業も社員も、生き残りとか、そういうことだったと思います。今のように、自己実現とかスキルアップとか、そういう聞こえのよい意味ではなかったと思います。
今のように資格を取得したり勉強して知識を身に着けたところで、未経験者は雇わない、という風潮でしたし、それは今でも少なからずあるんでしょうけど、あの頃はほんと、切羽詰まっていたような、息苦しくてたまらない記憶です。
ま。
私はそのような風潮の始まり頃の大きい波は、社会人としてリアルには知らないのでそれも憶測ですが。
そのように、転職、退職という行為がタブーではなくなり、社会情勢、経済状況がよくも悪くも落ち着いてきて、今の転職に対するスタンスというのが出来上がったな、と、私は思っています。
日本が景気回復し、好景気に恵まれたらまた、終身雇用とまでは行かずとも、そのような風潮も戻るのかも、と思うこともありましたが、結局また違う、不景気というか、じり貧モード、新たな苦境に突入していますね。
やはり日本は、旬が過ぎ、後は衰退していく運命なんですかね。
いや、落ちぶれても安定安心できる小国になるのなら、それはそれでよいと思いますけどね。