また、独り言です。
その人は、ずっと、その座を求め続けてきた人で。
でも、裏切り者と呼ばれたりして、孤立なんかも経験して。
だいぶ、遅すぎるタイミングでまわってきた「その座」だと思うのだが、その人サイドからすれば、やっと、悲願の、という感じなのだろうか。
しかし。
こんな形で良かったのだろうか。
もともと僕はその人に好感を抱いていたわけではないけれど、それでも、僕が知るかぎり、今のその人は、らしくない。
いや、それともこれが本性だったのか。
その座を掴むことがゴールだったのか。
操り人形。木偶。
そんな言葉が出てきてしまうほど想いも言葉も届いてこないし、不自然なほどに静かだ。
そして、一週間でその座を降りると言う。
もちろん、その後もその座は離さない、という欲求も思いも計算もあるんでしょうけども。しかし、言わされている感の方が強いように感じる。
なんだか、人身御供というか、人柱というか、そんな扱いをされているように思うし、仮に生贄にならなかったとしても、専権を振るえる環境は作れそうにない。むしろ手かせ足かせの、雇われ社長みたいなものなのではないか。
僕の知るその人であれば、そのような環境で手を拱いているわけはないのだが、あぁ、これはほめているのではなく、まぁ、狡猾というか抜け目ないというか、そういう一面もあったと思う。
ただ、良くも悪くもそのような精彩がない。
今はぐっとこらえ、愚鈍を演じ、誰にも悟られないように本当のチャンスを待っているのだろうか。
そうしたら、相当の人物だとは思うが、それには時間が足りないようにも思う。
さて、真意は、真の思いは、どこにあるのか。