人を、騙そうとするAI。
今現在においては、AIに善悪の感情はなく、ただ、それを使役する人間次第で、善にも悪にもなる、ということだ。
人を、守ろうとするAI。
これも、悪のAIと理屈は同じなので、人を愛しているとか、特定の誰かに入れ込んでいるとか、そういうことはない。
もう少しAIが普及すると、騙そうとするAIと、守ろうとするAIでのせめぎ合いが始まるのだろう。
わかりやすくイマドキの事例で言えば、AIが言葉巧みに老人を騙し貯金を奪い取ろうとするのに対し、そんな老人を守るAIがその手口を監視し、詐欺だと看破する。
ただ、どちらのAIも悪気や正義感はなく、ただ与えられた使命を全うしようとしているだけだ。
どこかで見たことのある景色かもしれない、と思い、自分の記憶を辿ると、思い当たることがあった。
ターミネーター、という映画だ。
シュワルツネッガーが演じるT-800は、初回作は悪者だった。
まぁ、これは人間の側から見て、という話で、機械、コンピューター側からすれば、それが正義だが。
二作目では、プログラムを書き換えられて、人間の味方になって現れた。
シュワちゃん自身に善悪はなく、ただ、それを使役する存在が、善にも悪にもする。
今現在のAIは、シュワちゃんのような身体は持っていないけれども、それだってそう遠くない将来に実現するだろう。
すると、そこいら中で、シュワちゃんvsシュワちゃんの戦いが発生するわけだ。
また、時を同じくして世界的な戦争なんかがあった日には、いよいよ日本も自衛力を意識するだろうから、シュワちゃん部隊の登場となる。
そして、そこに目をつける「悪いやつ」がいるだろうから…
結局、人の敵は人なのだろう。
あぁ、でもその時の日本人がAIに国防を委ねたりすれば、まさにターミネーターの世界になる。
ん?
なんか、予断を許さない状況では?
