「生命保険の、生存お祝い金みたいのが入るんだよね」
「ふーん、よかったじゃん」
「これで、パソコン買う」
「前から1台欲しがってたもんね。でも、そこそこスペックあるやつがほしいんでしょ?足りるの?」
「足りない」
「え、じゃぁどうするのさ」
「この間、月々の固定支出で、これとこれを持ってくれるって言ってたじゃん?」
「…まぁ、言ったけども」
「で、今度、少し私の手取りが増えるから、固定費の赤もなくなるし、手取りが増えたぶんでローンを組めばなんとかなるかなって」
「ん?」
「ん?」
「僕が、その固定費を出そうか、と言った理由は覚えてる?」
「いつも、私が足りなくなるからでしょ」
「そう。いつも僕がその分を補てんしているから、お金の動きがまわりくどいから、最初っから僕が持つ、と言ったんだけど、ここまではおけ?」
「おけ」
「別に、君が浪費をしているとは思ってはいない。けど、なんだかんだで赤になるっていうからそうしたのよ」
「おけ」
「で。なんで増えた手取りがパソコンのローンに行くことになるの?」
「え?だって保険の一時金で買える程度のパソコンじゃ、買う意味ないよ?」
「客観的に、よーく考えてみてくれないか」
「イマドキ、◯◯万じゃ大したスペックのパソコンは手に入らないよ?」
「いや、ちょっとパソコンから離れてくれないか。いいかい、これまで君は毎月赤字だった。それはわかるね?」
「おけ」
「で、その赤字分は僕が持つことになるわけだ」
「おけ」
「で、今度、君は手取りが増える」
「おけ」
「普通に考えれば、まずは僕に持たせた赤を、どうにかするのを優先で考えるものでは?」
「家族だから、トータルすればどっちの赤だろうと一緒では?」
「だったらなおさら、増えた手取りで赤を減らそうと考えないとあかんのでは?」
「いやだって、パソコン必要だから」
「いやだって、じゃなくて、パソコンから離れようよ。赤字も解消せずにローン組もうとか、どんだけ借金王になるつもりよ」
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我が家の、恥ずかしい話です。
そもそも、家族なら経済はひとつにするべきでは、とも思うのですが、我が家は分かれていて、それぞれが負担する費用を決めています。
理由は、いわゆる配偶者の収入が不安定過ぎるからです。職業柄、というわけではなく、単に仕事が長続きせず、無収入になるからです。
私が十分に家計を保てるほどの収入があればよいのですが、そんな甲斐性はありませんので、持ちきれない分を持ってもらっているのですが。
これ、あかんやつや、と毎回思わされるのですが、とりあえず、ちょっと僕とは考え方が違うんだよなぁ、と、オブラートに包んでここに愚痴を吐き出しておきます。