坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、という言葉があります。
その人が嫌いだと、その人自身でないもの、着ている服、使っている道具などもムカつく、という感じですか。
特定の感情を持って人に接すると、言葉一つも正しく解釈できなくなりますし、こちらの不行届も見えなくなってしまいます。
そんな話が、配偶者から入ってきまして、客観的に聞いていたつもりだったのですが、どうやら配偶者が腹を立てて電話をガチャ切りされてしまいました。
「前提」
・配偶者は先輩が嫌い
・他のみんなも先輩が嫌い
・先輩は年齢がけっこう上
「経緯」
・先輩が「明日、みんなでお昼食べに行こう」と呼びかける。
・配偶者が「行くお店は現金ですか?いつもカード払いで現金の手持ちがなくて」と発言
・先輩が「無理して一緒に来なくてもいいんだよ」と発言
・配偶者カチーン
…と言う流れだそうです。
配偶者は、排除されたような気分を味わったということだと思うんですが。みんなで行こうと言っておきながら、無理して来なくていい、とはどういう言い草だと。
どう、受け止めますかねぇ。
言葉のトーンとか勢いがわからないので厳密な分析は出来ませんが、会話だけ聞くと、その先輩とやらは別段、ひどいことを言っているようには聞こえないんですが、どうでしょうか。まぁ、多少、端折りすぎた言葉にも見えますけども。
私としては、誤解が重なったんだろうなぁ、と思いますし、でも、最初の誤解のきっかけは配偶者の発言だろう、と私は思うんですね。
多分、配偶者の返答に対して、先輩は、配偶者はお金がない、ということを遠回しに言っているのだ、と受け止めたと思います。
先輩という人は、世代的に現金を主として生活していても当たり前の年齢です。だからそうだ、とも言い切れませんが、仮にそうであれば、カード中心の生活で現金持っていません、という配偶者の言葉を、どう受け止めるかなぁ、と。
まぁ、そういう人でなかったとしても、遠回しにお金がない、と受け止めることは可能な発言とは思います。
なぜなら、ランチの予定は今日の今日ではなく、明日のお昼です。そんなことをいちいち聞かんでも、それを予測して現金を用意してくれば済む話だからです。今日の帰りにでもATMに立ち寄れば事足ります。
それをわざわざ言ってくる、ということは、お金がないんだろうなぁ、と、先輩が受け止めたとしてもそんなに曲解ではないと思いますが、どうでしょうか。
だから、先輩なりの優しさで、強制参加じゃない、という意味で言った可能性はあるなぁ、と。
じゃぁ、先輩は何て返事するのが正解だったのか?と聞いても、明確には返ってきません。カードも大丈夫だよ、と言えば済むのでしょうか。
でも、仮に配偶者が「お金がない」ことを遠回しに言っていたのだとしたら、カードで大丈夫だから来なよ、という返答は、ますます配偶者を追い込んでしまいます。
でも、目的の店でカードが使えるかどうかは、現金主体で生活する人は、把握してませんよね。世間では、カードが使えない店はありますが、現金が使えない店はそう多くないわけで、現金主体であればカードが使えるかなんて気にしないでしょう。だから、カードが使えるかどうか、先輩が即答できない可能性は高いわけで。
なので、配偶者は先輩のことが嫌いだから、先輩の言動をわざわざ悪意がある、と受け止めているだけで、客観的にはそこまで意地悪な、間違った反応じゃないのでは?というのが私の意見です。
それと同時に、配偶者に対しては、そもそも嫌いな相手なんだから、いちいちそんな返事するか?という疑問もあります。面倒くさくなるじゃないですか。黙って現金もカードも持って行けばいいじゃない、と、私は思ってしまいます。
つまり、ボタンの掛け違いの出だしは、配偶者だと思うわけです。
そんなことはない!他のみんなにも聞いたけど、その言い方はひどいと言っていた!と、配偶者から言われましたが。
だって、みんな先輩のこと嫌いなんでしょ?そりゃそう言うよね。そういうバイアスがかかってんだから。
と、言ったところでのガチャ切りでした。