理想を実現するために、時には自分の信念を枉げてでも柔軟に立ち回ることは必要だろうと思います。
私にはとても出来ないことだし、小さなことにこだわって道を誤るようなスモールハートでは、大きなことは成し遂げられないのかもしれません。
また、国家百年の計など、自分の生き死にの先を見据えて仕事をしてこそ、ホンモノなのでしょう。
ただ、本来はそのような傑物がいなくともまわる社会こそ平和ですし、そのような社会や組織こそ長い目で見て安定するのでしょうから、傑物、英雄を求める風潮というのは、あまり良いことではないのだと思います。
だからといって、平凡な人ならまだしも、平凡ではない程度に「おいおい大丈夫か」とまわりが感じてしまう人が、重要な立場にいるというのはどうなんでしょう。
私は、とある公人が念頭にあり、その人のことを話しています。
その人は、自分の理想のために、あえて自分を押し込め、我慢しているのでしょうか。
それとも、散々、自分は傑物だとアピールしてきただけの、地位や名誉がほしいだけの空っぽ人間だったのでしょうか。
年明けからずいぶんと呆気に取られるような発言をしたようでして。
まぁ、その人は身内の背中に矢を射かけるということが得意であったから、今回もまたそんなノリでの発言なのかもしれません。
意味がわかりません。
昔の、一兵卒であったり組織の構成員であった頃なら、あぁまた味方の背中に矢を射かけたね、裏切って敵に属くんだろうね、と、一応はその行動にも辻褄があるように見れますが。
今は、自分が組織そのものであるはずです。
もし、組織が泥舟なのだとしたら、そうしたのは自分です。批判できる相手などいません。だから泥舟から自分が逃げ出したとしても、あくまで泥舟の船頭はその人です。逃げ出そうがそれは変わらない。
それでも。
彼らの最終兵器は常に「支持」であり、その「支持」があれば、まだ何とかなる可能性がゼロではないのかもしれません。
どのような行動をしても、その人が多くの支持を集めていれば、もしかしたら賛同する声が、あるのかもしれません。
正直、ありえない発言すぎて、敵も味方も総スカン。僅かにあったその人への支持も、そのまま落胆に変わってしまったのではないか、という状態ですが、本人に自覚はあるんでしょうかね。
まるで、大名同士の戦いで、一方の軍隊を率いる大名一人だけが、自軍を裏切って敵につこうとしているような滑稽さです。
裏切る相手は、自分の部下である軍勢です。
裏切って属こうとしている相手は、敵対していた敵軍ですし、敵軍の目標は、自分の首です。
自分の首を狙う相手の前に、さも「これからは共に戦おう!キリッ」みたいな感じでフラフラと大将が一人で出ていく。そりゃぁ部下の目も、敵の目も点になるんじゃないでしょうか。
ふざけるな、と一蹴した敵軍の大将は、ずいぶんと懐が深いとすら感じてしまいます。
私がそう感じ、ここまで言うのですから、よほどですよ?