鉄道の駅のホームに、小屋状の待合室があります。
そこは空調が効いており、この季節でも中は涼しくなっています。
普段、通勤で使う鉄道ではないので僕はそれを使用したことはこれまでなかったのですが、先日、初めて使用しました。
待ち合わせに若干早く到着してしまい、かといってどこか店に入ってくつろぐほどではない、つまり30分もないぐらいの「待ち」が発生してしまったので、その待合室で涼んでいこう、と思ったのです。幸い途半端な時間だったということもあり、中には2人ぐらいしかいませんでした。
椅子の数は、20ぐらいか。立っている状態ででも人が入ってくるのかわかりませんが、まぁおそらくは椅子の数ぐらいの人数で使用するものなのでしょう。
さて。
僕の少しあとに、派手な恰好、というか、露出が多い恰好の若い女性が入ってきました。「しゃねる」と書かれたバッグを自分が座った横の椅子に置き、我々に背を向けるように座りました。そしてスマホを取り出し電話をし始めたので、まぁ僕としては夜のお仕事の方かと思いました。
ですが、話を聞いているとどうもそんな感じではない。会議がどうだったとか、会議の資料をどうしたとか、会社勤めっぽい話をしているので、あぁ普通に会社員なのか、と。休みを取っているかなんかで私服なのだろう。
ん、でも待てよ、それはそれでいいんだけども。
広くはない密室で遠慮なくスマホでしゃべっていて。正直うるさくてそれだけも不快だったのですが、その電話での会話がよくわかった理由が、スピーカーホンにしていたからです。
そう、相手の声が僕らにも聞こえている状態だったんですね。
あまりに当たり前にやってのけたから最初はその異常さに気づきませんでしたが、いやむしろ、今の若い人は、人前でスピーカーホンで会話するのは平気なんでしょうかね?
とはいえ、若いからとかそういうことではなく、問題は会話の内容ですよね。
電話でしているのは、仕事の話です。相手は男性の声で、同僚か、少しだけ上の立場なのか、互いに敬語でしたが、女性がしきりに感謝したり謝ったりしていました。どうも休み前に作った会議資料があまりよろしくなくてその男性が資料を作り直して会議に臨んだ、みたいな話をしていました。
そんな話、スピーカーホンでしてよいのか?と。
本人はいいかも知れないけれど、会議資料でしょ?しかも直前で直しが入るような重要な資料であり、会議なのでしょう?全てではないとはいえ、内容が他人に漏れてよいんですか?と。相手の男性の話も、まわりに聞こえてますよ?
あまりあけっぴろげに公共の場、不特定多数がいる場で仕事の話をしないように、と、研修とかで教わらないのだろうか。それとも、完全に他人に漏れても問題の発生しない内容である、という確信があったのか。
僕はイヤホンをして音楽を聴きながらだったので、こまかく話は聞いておりません。曲の合間とか曲の静かな部分で聞こえてくる程度だったので。ただ、その他の待合室利用者は、イヤホンをつけていない人もいたし、たぶん全て聞こえていたんだと思います。ちなみに、そこに居合わせた人はその女性以外は誰も喋っていないので、おそらく電話の向こうの男性は、女性がまさかスピーカーにしているとは思っていなかったんじゃないかと。
まぁ、余計なお世話なんですけどもね。
でも、社員が会社の信用を貶める、というのがよくわかる絵でした。内容どうこうではなく、社員の振る舞いが、ですね。
もし、内容に問題がなかったとしても。重要な会議ですから、それなりに機密事項は含まれているでしょうし、それを外でペラペラと喋るような社員がいる会社、という印象はついてしまいますね。まぁ、社名を名乗ってはいませんからわかりませんけども。
いや、自分も気をつけなきゃいけないな、と改めて思いました。