週末の連休に、音楽スタジオを借りました。
リハーサルスタジオと呼ばれるスタジオで、レコーディングなどではなく、練習するためのスタジオです。
いわゆる配偶者と、ちょいとボーカル録りでもしてみようかと思って予約してみたわけです。
いや、ボーカル録りならむしろレコーディングスタジオではないのか、というのは至極尤もなご意見です。
ただ、僕らが今のところ目指しているのは「僕らの現状以上の録音環境」ですので、ウン十万かけてレコーディングスタジオで、とか、そういう話ではないのです。
現状の録音環境は、といえば自宅録りです。自宅で歌って録音をします。
今は、一般的かどうかはわかりませんが、手法のひとつとしてあると聞きます。確か、服がたくさんしまってあるクローゼットの中がオススメだったかな。
まぁ、どんな対策を取ってもこの録音方法は賛否あると思います、というか「否」の方が圧倒的ではあると思います。しゃべる、というだけならまだしも、歌いますからね。ボーカリストの歌声は楽器そのものですから、隣家まで相当離れているような郊外でもないと、なかなか良い顔はしてもらえないでしょう。
とはいえ、我が家の立地を活かし、出来る限りの配慮をして自宅で録音しておりますが、それでも当然、頻繁には出来ませんし、時間帯も限られます。もちろん遠慮だってあります。
そして、近所への配慮を抜きにして考えて、純粋に「レコーディング環境」として考えても、やはり自宅には様々な「生活音」「雑音」がありますので、録音環境としてはよくないわけです。
ギャンギャン激しいロックであれば、後ろの楽器が音をあげている間であれば気にならないのかもしれませんが(ていうかだから我々も自宅で録っているわけですが)、しっぽり・しっとり歌い上げる、となると、それら雑音は無視できません。
無音もまた、音楽です。
ボーカルの声が消え、刹那の「無」であるはずのところに、我が家のこてつ君の首輪についている鈴がチリリンと鳴ってしまえば、例えそれが水琴窟の快い音であったとしてもダメでしょう。
なお、我が家のとなりにはおそらく内装業の「親方」が住んでおり、自宅に資材を取りに来るために時間関係なく表を車で出入りしており、車がバックする時の警告音がランダムに聞こえてきます。また、裏にはあまり躾がされていないワンコがおりましてこちらもランダムに長時間鳴き狂っておりますし、別のお宅には、これまたちょっと心配になるぐらい毎日ヒステリックに泣き叫んでいる幼児がおります。逆側の隣室には、老いた母親を早口で徹底的に言葉で詰め詰めに、しかもわざわざ窓をあけてやっている親子がおりますので、これらをかいくぐって録音をするのは、なかなかタイミングも難しいのです。
なので、一度、歌うのならカラオケボックスはどうだろうか、と、カラオケボックスで録音してみたことがありましたが、カラオケボックスもダメですね。酔っぱらってみんなで大騒ぎするぐらいでしか行きませんので気にしたことがなかったですが、けっこういろんな音が邪魔するんですよね。防音も音楽スタジオのような立派なものではないので、共用部に流れているBGMなんかも部屋の中に入ってきますし、当然ですが、隣の部屋どころか、同じフロアのどこかの大合唱や「うぇーい」という声も聞こえてきます。
どうせ同じお金を払うのなら、もっと設備が整っていると思われる所を、ということで、リハーサルスタジオということになりました。
結果としてどうだったのか、というと、多分、ダメです。
ただし、これはスタジオの質によるのだと思います。防音扉の作りや壁の厚みや防音パネルの入れ方などで大きく変わるのでしょう。そして、僕の過去の経験からすると、そういう部分に疑問を感じる作りでした。
他のスタジオを試していないのでまだ結論は出しません。僕の過去の経験では、激しいバンドが隣に入っていても、せいぜい低音がズンズンくるかな、ぐらいの記憶なので、別のリハーサルスタジオも、お値段と相談しながら試してみようと思います。
また、ボーカルブースがあるリハーサルスタジオなんかもありましたんでね、記憶では。そういうところも探してみたいと考えています。
とりあえず、そんなことは抜きにして、二十年近くぶりの「スタジオ」にワクワクが止まらないオジサンでした。