kekeの考えること

こういうことを考えてる人もいるんだなぁ

鶴翼。

フィンランドNATO加盟、というニュースがありました。

この1年ほどの宇露侵攻戦の影響もあり、長らく中立であった方針を捨てたとのことです。

実際、露に攻め込まれた経験もあり、フィンランドにとって宇露侵略戦は、他人事ではないのでしょう。
まぁ、このへんのことはネットで検索すれば情報はたくさん出てきますので、私のような素人が語るべきことではありません。


さて。

地図で、NATO加盟諸国とロシアの位置関係などを見ていると、各勢力の大きさ、強さはとりあえず脇に置いて、今回のフィンランド加盟により、NATO側としてみれば、いわゆる”鶴翼”の形が出来上がったことになります。厳密には、ウクライナNATO加盟はしていないのですが、まぁ、現状を見る限り、露からすれば敵と考えてよいでしょうし。ウクライナも含めると、直接的に、鶴翼陣形のNATOとロシアが接することになります。


鶴翼、というのは、陣形の一種で、鶴が翼を拡げたような形からそう名付けられていると聞いています。拡げた翼で、懐に飛び込んできた敵を包み込み、包囲殲滅する陣形です。有名どころでは、まさに戦国時代の終わり、関ヶ原の戦いで、西軍が敷いた陣形ですね。

関ヶ原で西軍の鶴翼が敗れた原因は、翼の一端である小早川秀秋が寝返ったため陣そのものが崩れた、ということがあるようですが、そこらへんも、専門家はいらっしゃるので、そういう方々の文章を読んでいただいた方がよいでしょう。

NATOの鶴翼は、北側の翼がフィンランド、南側の翼がトルコ、ということになりますが、そこに一抹の不安定さを感じてしまうのは、今回、スウェーデンが加盟できなかったところに見え隠れしますが、まぁこれも私が語れる分野ではありません。


一方のロシア側は、強いて言うなら魚鱗の陣かもしれません。いや、見た目の形だけの話ですが。

魚鱗は、小隊が魚の鱗のように密集して敵深く攻め込む陣形で、先頭の小隊が崩れれば次に控える小隊が前に出て、という感じで、中央突破の破壊力、という感じの陣だと聞いております。これは、殷周決戦で殷がとった陣形じゃなかったかと記憶にはあるのですが、なんせそれらがわかる本などは全て処分してしまいましたので、確証はありません。その時、周側はやはり鶴翼だったんじゃなかったかとも記憶していますが、それも私の曖昧な記憶です。また、関ヶ原でも、東軍が魚鱗ではないにせよ、おおよそそのような形状の布陣だったような気がします。


唯一、鶴翼の陣で心配なのは、首根っこ、胴体にあたる部分が、魚鱗の中央突破力で真っ二つに分断されることですが、真ん中に控えるのはウクライナですから、ここは安心できそうな感じです。


いかん、政治的な話がしたいわけではないので、話を戻します。


そんなわけで、私が歴史から得ている感覚としては、鶴翼というのは勝者の陣形、というイメージがあります。

なので今回、NATOが鶴翼陣形を確立した、というのは、かなり、軍事情勢に影響を与えるだろうな、という印象です。

もちろん、古代と今では通念、概念が違いますから、鶴翼が完成したとて、NATOの両翼が包み込むように先手を取って動くことはないとは思いますが。


こういうことを考えてしまうのは、不謹慎である、と、毎回思うのですが、どうしても、こうして歴史と照らし合わせながら考えてしまいます。