今、我が家には猫が2匹いるが、やはり個々の性格があり、過去、共に過ごしたことのある猫達と同じようにはいかない。
メス猫の方が、夜中、私に乗ってくる話は以前書いたが、最近は、隙あらばベッドでなくとも乗ってくる。膝もそうだし、ソファでゴロンとしててもだ。
そして、器用にも、私がゴロンと寝返りをうっても降りずに乗り続ける芸当を身に着けた。
転がる丸太の上にいるような、あれである。もちろん、私が丸太だ。
そのくせ、気難しいので、抱っこなどは抱き方が少しでも悪いとシャーと言う。
せがむくせに、抱き上げるとシャーと言う。
自分が甘えたい時しか触らせず、それでいて触り方が悪ければシャーである。
昔、実家で飼っていた同じぐらいのサイズのメス猫は、ここまでシャーシャー言わなかったが、甘えもしなかった。触られるのが好きではなく、だから甘える、ということ自体がなかった。
今思うと、あの時のメス猫は、こいつより大人な性格だったんだなぁ、と思う。
それでも、今、我が家にいるメス猫は、かつて多頭飼いの中で他猫と折り合いがつかず、一番の先住猫でありながら保護団体に引き渡された、という悲しい過去を持つ。
いわゆる配偶者が保護猫としてのこの子と初めて会った時は、一世一代のゴロニャンをして、見事ハートを鷲掴みにしたわけだが、この子なりに必死だったのかもしれない。
そうして勝ち取ったこの家は、ワガママが言えて幸せだろうし、それを隠さないでいるこの子がカワイイ。
人間で言うところのツンデレだ。本当は臆病なのにシャーシャー言うし、鳴くときは大抵、何かしらの不満だし、だけど甘えん坊で、自分が気持ち良い時間、場所に貪欲だ。
いわゆる配偶者は、まるで思春期の少女と接する母親のようであり、私は足元で踏みつけられている丸太である。