今週のお題「本棚の中身」
もう何年も前になるが、引っ越しの際、本は全て処分してしまった。
一冊も手元には残さなかったので、現在は、私の本棚というのは存在しない。
そもそも私は、読書好きかと言われると、あまり自信はない。
読む本は偏りがひどく、また、文庫本サイズの、コンビニなんかでも売っていたような、薄っぺらい内容の自己啓発や雑学本なども多かった。
漫画もそこそこあったが、あまり世間で騒がれていない、感動的でもなんでもない「偏食である私の好み」である漫画もけっこうあった。
さて。
今は、本も本棚もないわけだが、今後、本を買うか、と考えると、非常に悩ましい。
同じ読書でも、スマホやタブレットではなく、紙に触れ、印刷された字を読む方が良い、という意見には、同意できる。
ただ、だからといって本を買うか、というと、それはまた別の問題である。
時代は変わった。
私が生まれ育った昭和とは違うのである。
昔は、本やレコード、CD、映画作品のビデオテープなどをコレクションすること自体がひとつの趣味であったし、そのコレクションをずらりと並べるのも醍醐味だったのだろうと思う。
でも、あの頃そうやって集めた、並べて飾ったものは全て、現代ではスマホの中に収まってしまう。
さらに、データとして所持すらせず、クラウドに収まっているそれら情報を、必要な時に引っ張ってくる時代だ。
本、書籍というものも同じであり、紙媒体にこだわりがなければ、大半の場合はスマホがあればこと足りてしまうし、それが為に本屋さん業界を傾かせてしまう程だ。
古書、中古というより古い、昔の、という意味だが、そういう類でもない限り、紙媒体の本を所持していても、保管場所が必要、移動の際には荷物になるなど、デメリットのほうが目立つ代物になってきている。
逆に、本のただ一冊も部屋の中に存在しなくても、その部屋の主が読書をしていない、とは言えない時代だ。何百もの書籍を、スマホひとつで読破しているかもしれないからだ。
というわけで、とりわけ、本という文化から一度離れてしまうと、今の時代は特に、また本を買い集める、という行動には移りにくい。
また、私もこうして書いているブログをはじめ、今はネット上に、到底読み尽くせぬほどの「文章」がある。読むことで得られる見識などはかなりムラがあるが、とにかく「読む」ということが好きならば、それでも充分、欲求は満たせるかもしれない。
そんなわけで、私の「マイ本棚」は、おそらく今後、出現することはないだろう、と、今は思っている。