気持ちって重要で、手荒な真似をしても、それが相手を思ってのことだったり、助けるために必要でやむを得ず、という場面があります。
身近なところですと、例えば我が家の猫は、爪を切られるのは嫌いで、私が爪切りを持つと必死こいて逃げようとしますが、切った後、近寄らなくなる、ということはありません。
私が悪意を持っていたわけではないのは、猫もわかっているからです。
とにかく、気持ちは大事だ、というお話。
さて、先日、うちの近所を歩いていると、道の真ん中に、小さなヘビが落ちておりました。
いた、というより、落ちていた感じです。
うらっ返しになって、ウニョウニョしてました。
怪我をしていたからなのか、もとからそういう生態なのかわからないのですが、ヘビって、裏返しになると詰むんですかね。
たまに虫で、ひっくり返ったまま必死にジタバタしているのを見かけますが、ヘビもその類でしょうか。
生活道路なので細い道ですが、抜け道なので、意外と車の通りはあるところで、このままだと轢かれてしまう。
たまたま、両手に荷物を抱えて歩いていた私は、どうしたものかと思案にくれました。
手が塞がっていること以外に、私の生活圏内で、小さいとはいえ野生のヘビに出くわすなんてことはまずないので、扱いがわからない。
下手に手掴みして、噛まれてもなぁ。種類がわからないから、毒があるのかもわからないし。
そんなわけで、私は、申し訳ないと思いながらも、足でエイッと、何度か蹴るというか、つま先に引っ掛けて飛ばす感じで、ヘビを道の端の茂みに移動させました。
その時にはじめて、首のあたりが曲がったままであることに気付きました。同じ所をぐるぐるしてしまう感じ。裏返しで起き上がれなかったのも、この怪我が原因かもしれません。
もしかしたら、轢かれなくとも、それほど長くはなかったのかもしれません。
私の行為は、とても乱暴でしたが、気持ちは通じたと思いたい。
思いたいのですが、それから少しして、猛烈に肩甲骨まわりから、肩、首にかけて痛くなり、まるで寝違いがひどく、広範囲になった感じです。
ようやく、痛みがやわらぎつつある今ですが、原因を探しても見つからない。タイムテーブルで考えると、特異なことは、ヘビとの遭遇ぐらいです。
ヘビ…。
確か、神様、でしたっけ。ヘビって。
もしかして、足蹴にしたことで、神様の怒りに触れてしまったのでしょうか。
草むらに放り込まれた時のヘビは、さほど恨みがましい顔はしていなかったと思うのですが、まぁ、ヘビの表情なんて私はわかりませんから、実はすごく恨まれていたのかもしれない。
逆に、神様だったのだとしたら、この程度で済んだことは、けして心底恨まれたわけではないとも考えられます。神様ですからね。
気持ちは汲むが、ちとやり方がどうかと思うぞ、という、軽い戒め程度なのかもしれません。
そして、全て妄想の域を出ておらず、実際はただの四十肩プラス寝違いかもしれません。