今週のお題「鬼」
鬼が絡んだんで、ちゃっかりお題に便乗。
新型コロナの、人類分断作戦が始まっている。
以前に書いたように、新型コロナウイルスは、わかりやすい構図ではなく、人々の心に働きかけ、その団結力を削ごうとする。
わが社の、某営業所。
新型コロナ感染の影響で機能不全に陥り、本社から続々と応援が入り、私も来週から応援として駆けつけることになっている。
二つの営業所が併設されているそこは、所長が濃厚接触および家族の病気で戦線を離脱、所員も多くの「濃厚接触者」が発生してしまっている。そこで、昨年まで所長を勤めていた本社の人間が急遽代理で今週から入っているが、前前前所長の私にも白羽の矢が立ったわけだ。
話が逸れた。
分断工作というのは他でもない。
人の心を攻め、疑心暗鬼を引き起こし分断する、いわゆる内部撹乱である。
疑心暗鬼のもととなっているのは、所員の自宅待機だ。
そして、自宅待機者の全てが「濃厚接触」である、というところにある。
隣の営業所などと比べても、その発生率が異常に高い。他にも人手不足で苦しむ営業所がある中で、ここだけが、濃厚接触「のみ」で機能不全となっている。本人が陽性、というのは、いないのだ。
内訳は、全てが家族内感染。
つまり、勤務を続ける所員の中で、濃厚接触は「ウソ」なのではないか、という疑念が広まっているのだ。
濃厚接触と言えば、一週間ほどは自宅待機となる。日頃は有給休暇の取得にもシフト調整で苦しむなか、強制でそれだけの自宅待機、つまり休みを獲得できるのだ。
残された所員はそのように考え、とりあえず家族が感染したと言えば休める今、不正に休もうなどとは許せん、という思いなのだろう。
自宅待機するにしても、経過報告などが本来必要だが、疑心暗鬼に陥った人に、そこらへんの理屈は関係ないのだろう。
営業所と言っているが、うちは業務会社なので、各拠点に営業マンはいない。所員の業務も、インセンティブなどとは無縁で、成績を争うという景色もない。
こういう職場は、意欲や勢いが抜ける場所がなく、所内で滞留し、淀み、腐臭を発するようになる。
噂を好み、噂を集めることが楽しみとなり、中には不確かな情報も収集され、それが拡散される。
おそらく、そのような状況の中で、誰かがつぶやいた言葉が、一人歩きをしているのだろう。
なので、こういう部署では、上司がそれらの意欲ややる気の類いを注ぎ込む「仕事」を与えないといけない。すぐに腐臭が漂い始める。
また話がそれた。
結局、それらの人は、新型コロナの策略に、見事乗せられてしまっているわけだ。
こういう時こそ、まとまりを持って対処していかなければならないはずだが、残念ながらその営業所は、所長の戦線離脱により陥落した。
窓際サラリーマンの私であるはずなのに、にわかに多忙になった。
つまり、それほどの事態ということである。