kekeの考えること

こういうことを考えてる人もいるんだなぁ

天高く馬肥ゆる秋。

天高く馬肥ゆる秋。

 

既に時期外れな言葉ですが。

実り豊かな秋を表現しているようなニュアンスです。

 

実際、秋の時候の挨拶にも取り入れる言葉だそうで、字面から、その秋の素晴らしさというか、豊作をイメージさせます。

私はそういう言葉を必要とするような仕事はしておりませんのでとんと疎いですが、やはり、よい印象のある言葉です。

 

 

ですが、そこは故事。一筋縄ではいきません。

 

馬とは、近代以前においては、軍事に結びつけられることが多く、騎馬軍というのは、洋の東西を問わず、強力な軍事力を持っていました。チンギス・ハーンの元が大陸で台頭したのも、まさにその騎馬軍の威力といいます。

 

なので、この「天高く馬肥ゆる秋」というのも、馬が肥えることで、軍事が活発になることを懸念する言葉、というのが本来の意味だそうです。

 

この故事、具体的には古代中国、前漢という国の話ですが、この中国に建国される帝国は、常に北方の騎馬民族に悩まされていて、後の歴史では、ついにそれら騎馬民族が繰り返し中華に国を興すことになります。

先ほど出てきたチンギス・ハーンの「元」も、その先駆けのような国ですね、

 

 

というわけで、実り多き秋は、肥えた馬に跨がり、騎馬民族が収穫を略奪しに来る。だから警戒しなければいけない、という、戒めの言葉が発端ということです。

 

ただ、「肥えた馬に跨がり」というわけで、この故事の中での騎馬民族は、略奪目的ではありますが、前提として、馬が肥えた、という、彼ら自身の収穫があっての行動なわけですから、単純に「収穫を奪われないように気をつけろ」というだけでなく、豊富な原資を手に入れて、悪心を起こさないように、との戒めも含んでいるような気もしますが、それは深読みしすぎでしょうかね。

 

 

現代に照らしてみれば、秋、という括りではなくなりますが、何か大きな収入、収益があった時が該当しますか。

 

悪ではないですが、ボーナス時期の商戦なんかはあります。

原資を得た人に「買ってもらう」「契約してもらう」ために奔走するのは、商売の世界では当たり前にあります。

 

逆に「ボーナスが入って気が大きくなってしまう」ことを戒めるとも受け取れます。

 

さらに、深読み部分としては、原資を得た誰かの悪巧みが動き出す、という警戒も含みますかね。悪事を行うための資金としての原資、というわけです。

 

 

良いことにも悪いことにも、やはりお金、財産というのは密接に関わります。

それらが動く時期には、良いことだけでなく、悪いことも同じように動き出すものだ、と。

 

そんな風に受け止めてみました。

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