旅、という言葉があります。
自分の日常の活動範囲から離れ、日頃ふれ合わない文化とか、情緒とか、そういうものに触れる。
そこで得られるものは、人により違うのでしょうが、まぁ、旅というのはそんな感じなのだと、私は思っております。
さらに言えば、外の世界を知ることで、自分の住む世界の良さを再認識する、というのも、含んでもよさそうです。
この、旅、という字は、もとを辿れば軍隊のことで、五百の兵で構成された組織を、旅、というそうです。
なので、旅団とか、軍事的な言葉で旅がつく言葉がありますが、そもそもはそちらが語源に近いわけですね。
軍というのは、もとを辿れば、守りを目的としているのではないでしょうか。
日本の武士の興りも、土地を守る為に武装した農民と聞きます。
攻めるための軍というのは、その防衛の力を、外に向けた誰かがいた、ということです。
守りが本来の機能である組織なのであれば、本拠より出て戦い、敵を追い払ったら、また本拠に戻ることが前提となるわけで、そう考えると、旅というのはどこかへ出掛けても、また自らの生活範囲に戻るからこその旅、ともいえます。
戻る場所があっての旅、なのかもしれません。
となると、よく、人生を旅に例えますが、この「人生の旅」は、どこから出発し、どこに帰るのでしょう。
自宅ではありませんね。
人間至る処青山あり、と言います。
人生の旅は、行きっぱなしのようで、ちゃんと帰る。
多分、すごく「おおもと」に帰るんでしょう。そして、そこは同時に、また旅に出る際の出発地でもある。
温泉につかりたいなぁ、と考えていたら、いつの間にかそんなことを妄想していました。
そんなわけで、今日の名言。
おうちに帰るまでが遠足。