kekeの考えること

こういうことを考えてる人もいるんだなぁ

バグ。

何十年と生きていると、体に組み込まれている仕組み、システムも老朽化し、だんだんバグやエラーが増えてくる。

 

もうずいぶんと前だが、私の右手の甲に、髭のように濃く太く短い毛が、1本だけ生えてきたことがある。

 

私はもともと体毛が濃くない方だと思うので、とても目立つし、違和感があった。

 

だが、触るとチョリチョリとその抵抗感が気持ちよく、無意識に触るのが癖になった頃、触りすぎたせいか、その毛は痛みもなく、抜けてしまった。

 

失意の一週間程を経て、なんと今度は左手の甲に、同じような質の毛が生えてきたのだ。

 

まるで鏡で写したように、線対称でちょうど反対側に、髭が1本、生えてきたのだ。この位置関係から、これは偶発ではなく、なんらかのバグによる処理ミス、誤作動であることが考えられた。

 

 

再びチョリチョリ感を楽しむことができ、やがて別れの時を迎え、それからもう一回、右手の甲に同様の毛が生えた。

 

それが抜けてからは、二度と手の甲に違和感のある毛が生えることはなかった。

 

その後、右の肘に、他の毛と同様の太さ、色なのだが、やたらに長い毛が生えた。他の毛がミリ単位であるなか、そいつだけは5cm近い長さを誇っていたが、今見たらなくなっていたので、これも単発もののバグだったのだろう。

 

 

今は、耳だ。

 

ただ、耳は、加齢により毛が生えることはあるようだ。稀に密林の如く生えている方を見かけたものだが、最近はめっきり見ない。お手入れの仕方があるのだろうか。

 

ただ、それら私が見かけた方々は、耳の穴の中から生えていたのだが(多分)、私の耳の毛は、穴の手前の平らな部分、おそらく「太珠」と呼ばれる部分だ。そこに、産毛に混ざって、1本だけ黒々と生えてくる。触ればわかる程度の固さもあるので、太さもなかなかだ。

 

これは、気付けば抜くようにしているのだが、定期的に何度も生えてくる。直近では先月に抜いたので、もうボチボチ生えてくる時期だ。

 

こいつの特徴は、縮れていることだ。

伸ばせば1cm級なのだが、たいてい毛根を含めると「?」みたいな形になっている。

 

抜くことに抵抗はないが、如何せん、気付きにくいところに生えてくるので、今では「生えていないことを触って確認」が癖になりつつある。

 

 

これはみな、私の体の老朽化によるバグだと思っている。なので、今後はますます増えてくるだろう。

今は毛だからよいが、今後、どのようなバグが発生するかわからない。

 

思いがけないところから歯や爪が生えてきたら、医学的に説明がついたとしても、もはやホラーの領域だろう。

 

でも、それをチョリチョリと愛でてしまいそうな自分もいるのである。

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