今週のお題「あったか~い」
寒い冬、その暖かさに幸せを感じる物事はたくさんある。
その人その人の生活環境、好みなどで、チョイスされる「あったか~い」は変わってくるだろうから、一概に「これ」と言い切ることはできない。
なので、現段階で私のチョイスする「あったか~い」を5つほどご紹介させて頂く。
これは、検証しやすいという点からも、確実な支持層を持つ現代の「あったか~い」にノミネートされる逸品であろうと思う。
同じような気候の日に、着ている・着ていない、それぞれの体感温度が全く違う。
現代日本において、類似品も含めたこの類いの衣類は、もはや常識に近いといっていいのではないか。
素材の特性を活かした商品なので、適度な温度で一定に保つ、という活用法は難しいかもしれないが、総じて「寒い」が大半を占める冬場には有用で、着用するかどうかで、重ね着の数もけっこう変わってくる。
ただ、ご存知とは思うが、このヒートテックというのは商標名であり、衣類の中の一種類を指す単語ではない。
「ヒートテック着なよ~」というのは、即ち、ユニクロで吸湿発熱肌着を買いなよ、ということなので注意が必要だ。
ただ、ホッチキスやサランラップ、宅急便、ウォシュレットのように、商品名が一般名詞として使用されてしまうほどの人気商品である、ということだろう。
④自販機の「あたたか~い」
かつて、この界隈には名言があった。
「100円玉で買える温もり」である。
若い世代では知らない人もいるかもしれない。仮に知っていても、既に100円玉で買える温もりは、身の回りになかったかもしれない。
コンビニやスーパーなどで、98円で買えるよ!などと、野暮なことを言ってはいけない。
この温もりには付帯条件が幾つかあり、ひとつは、お釣りがあってはいけないのだと、私は考える。
100円きっかりで買う。お釣りをもらう姿は、カッコよくないのだ。
また、人と対面していてはいけない。1人でコトを完結せねば、その温もりは半減してしまう。いらっしゃいませ~、ありがとうございました~、などという言葉の温もりは、購入したその物が持つ温もりの価値を下げてしまうのである。
そして、大切なのは、自販機であることだ。いま挙げてきたニ条件を含むが、夜のとばりの中にボゥと浮き上がる自販機の灯り、それが既にひとつの温もりである。煌々と明るく暖房が効いていて、クリスマス商戦のアナウンスが賑やかに繰り返すような環境では得られないものなのである。
値段の話を続けるのであれば、自販機では、1円玉の取り扱いはない。なので、98円設定は無理である。
値段で勝負するなら90円にする必要があり、これはお財布への温もりにはなりえるが、購入後に10円のお釣りを取らなければいけない野暮ったさがあり、それを避けるには、90円をお釣りなく投入することが求められ、投入する時間が野暮である。
さらに指先がかじかんでいるであろうこの季節、うまくコインを投入できなかったり、うっかり地面に落として拾う姿など、けしてロックではないのである。
なので、「ロックな温もり」を得るためには、500円玉も不可であることを予め心得ておくべきである。
③こたつ
自販機の温もりで語り尽くしてしまった感があるが、めげずに続けていこう。
こたつは日本人の心である。
個人的な話で恐縮だが、私は、幼少期に、こたつとは無縁の生活だった。
そのため、こたつへの憧れが強く、いざ使用した際の温もりは今でも忘れられず、今回、ピックアップさせて頂いた。
こたつの内外での温度差が大きいほどその幸福感は強く、吐く息が白い部屋で、こたつの中で手足を温めるのは至福の時と言える。
(健康にはよろしくないので、部屋もしっかり温めることをお勧めする)
また、温もりがその一点に集中することから、国民病である「こたつから出られない」を発症するに至り、様々な弊害を及ぼすので、扱いには注意が必要だ。
ちなみに、それを懸念した私の母は、だから我々にこたつを与えず、今でも本人はこたつを使用していない。
しかし、よく観察すると、居間に電気カーペットを敷き、そのうえで毛布にくるまっている。はたしてこたつを廃止するという政策を骨抜きにする愚案ではないだろうか。
今はこたつにも様々な派生種があり、日本人の「意地でもこたつは手離さない」という魂が感じられる。
ダイニングテーブルがそのままこたつになっているなど、その大胆さには目を見張るものがあるが、中毒性も含めて、こたつは従来のこたつが、私には一番しっくり来る。そして「寒くて出られな~い」と、情けない声をあげるのが至福である。
②布団
最も私らしいチョイスであると思う。
寝具を日常の暖房器具としても使用するので、経済的である。
布団から出られなくなる、という現象に陥るが、それは居間に移動してこたつに入っていても同じであるし、暖房のきいた部屋から出たくない、というのも、結果としては大差ないのである。
どうせ動けない、出られないのであれば、機能を集中、集約させた「布団で過ごす」という行動は、コスパとしてはよい。コタツやエアコンなどのように、電気、灯油、ガスなどのエネルギーも使用しない。我々が発する熱が、その熱源である。
また、いざ寝る際、最初は温かくないのもポイントである。毎日繰り返しているにもかかわらず、うわ、ほんとにこれで今夜大丈夫かなぁ、と、不安にさせる冷えっぷりである。
これが逆に、温まってきた時の幸福感を増幅させ、さらには「起きてしまったらこの温もりが消えてしまう」という後ろ髪をひく効果があり、さらに布団から出たくないという中毒性を増幅しているとも言える。
①人
お約束のようにピックアップしてみたが、押しくら饅頭とか、人肌とか、そういう話ではない。
うちひしがれている時、自分以外の人という存在は、温かみがある場合が多い。
それを狙った商売もあるので、一概に「良い」と言い切れるものではないが。
昨日、記事としても挙げた旧知についても、会う約束が、私の立場で嬉しいか、と言えば、それは嬉しいわけだ。
忙しい合間を縫って時間を作ってくれたのであり、私のしょぼくれた現状を嘲笑うわけでもなく、久しぶりに年齢を考えず飲んで、解散が朝だったわけだから。
実は先程も別件で会ってきて、これまた年甲斐もなく、何時間もドリンクバーだけでファミレスに居座るという芸当をやってのけたところだ。
おかげでブログの更新がこの時間である。
以上、簡単ながら、私の「あったか~い」5選である。
なお、自販機のくだりの名言については、ググって頂ければすぐにでも答えにはたどり着く。
しかし、重ねてこれだけは言っておく。
「どろぼうダメ、絶対。」