「あ」
「?」
「ご飯、あと少ししかないよ」
「それは、どっちの意味かね?」
「?」
「少ししか残ってないから食べちゃってくれってことなのか、おかわりするなら少ししかないよってことなのか」
「いや、どっちでもいいんだけど」
「否。この2つは矛盾する問いだけに、どちらでもよい、は成り立たないのではないかね」
「ちょっとよくわからない」
「おかわり、しろってことなの?」
「いや、するなら、だけど」
「なら、後者であろう。どちらでも、ではあるまい」
「いや、どうでもいいし」
「どうでもよくはないぞ。おかわりをしないという選択肢があるのだとしたら、後者だろう。前者は残りものになるから食べてしまってくれといういわばおかわりの強制なので、おかわりをしないという選択肢は」
「うるさい」
「はい、すみませんでした」