路線バスは、たいていの場合において時間通りにはやってこないので、きっちりバス停まで時間を図って歩いても、待つ時間が発生します。
私が利用するバス停は、近隣では主となる幹線道路沿いにあり、大きな交差点もそばにあるので、場合によってバス停の前が渋滞しているときがあります。
今日は渋滞している日で、車列が停まる度に私は運転手の横顔を見つめ続けるという、微妙な空気感の中のバス待ちだったわけですが。
朝の時間帯なので、営業所から各方面に一斉に散る配送トラック、作業現場へ向かう軽バンやワンボックス、他にも作業服を着ている運転手さんや、社名の入った営業車など、「お仕事の車」が多く並んでいます。
そんな渋滞の車列を見て、なんとなく、よかったなぁ、という思いがよぎりました。
昨年は、仕事をしたくても出来ないなど、あまり過去にはないイレギュラーがありました。
あの時は、道路状況も含め、交通機関が軒並み空いたわけですが、その理由は不要な外出をする人が減った、という括りでもちろんよいのですが、その括りの中には、このような「仕事に向かう車」「仕事をする車」が多数含まれていたのも事実でしょう。
だから、運転席でオニギリをほおばりながら現場に急ぐ車とか、2人で今日の予定を話しながら渋滞にはまっている軽バンなんかを見ると、日常の景色が戻ってきつつあることが感じられます。
まだ、余談を許さないのは当然ですが、でも、どこか、それら車両の一台一台に、活気の芽のようなものが、生えているように見えるのです。
面倒くせぇなぁ、とか、だるいなぁ、という人がおらず、なんというか、仕事に向かう姿がイキイキしているようにも見えるんです。
楽しそうと言うには少し違いますが、前に向かって走りたがっているその車達から、それぞれが醸し出す「活気」を感じたような気がしました。